一般産婦人科
一般産婦人科
婦人科は、月経の悩みから尿のトラブル、妊娠や不妊に関する相談、子宮、卵巣、乳房の病気や性感染症、更年期障害など、思春期から老年期における女性特有の病気をすべて対象としている診療科です。問診・内診・超音波・子宮がん検診(基本検診)などを通じて、女性がかかりやすい病気の早期発見と治療を行ないます。女性特有の不調は精神面とも密接に関係していますが、精神的な問題から生じている症状なのかを判断をしてくれるのも婦人科です。当院では生活背景も含めて、女性が心身ともに健康な生活を取り戻せるようサポートいたします。
性感染症(STD:Sexually transmitted disease)とは、性行為により、細菌・ウィルス・原虫などの病原体に感染する病気のことです。
性行為を介して感染しますが、初期は感染していても自覚症状に乏しく、気づかないこともあります。放置して症状が進行すると、頚管炎や下腹痛などを起こしたり、病気によっては骨盤腹膜炎を起こし不妊の原因になったりもします。
治療法は病状によって様々です。おりものの変化(量の増加・色味の変化・悪臭)、外陰部の痛み・かゆみ・水泡やイボの出現、不正出血などがある場合は早めの受診をお勧めします。
クラミジア感染症とは、クラミジア・トラコマチスという細菌の感染によって起こる疾患で、女性が感染する性感染症としてはもっとも頻度が高いものです。
感染して1~3週間ほどの潜伏期間を経て発症します。男性・女性ともにかかる可能性があり、約80%が無症状であるため、自覚しにくいのが特徴で、気づかないままパートナーへうつしてしまうことがあります。女性が感染した場合、子宮・卵管・肝臓の周囲にまで炎症が及ぶことがあり、不妊の原因となるケースがあります。
なお、主な症状としては、おりものの量が増える、不正出血、下腹部の痛み、性交時の痛みなどが挙げられます。治療はマクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系の抗生物質を使用します。服用期間は薬の種類によって異なりますが、1週間程度で終わる場合がほとんどです。パートナーがいらっしゃる方はパートナーの治療も必要となります。
性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染によって、外陰部に水泡のようなものができ、それが破れてただれたような状態になり、強い痛みになります。セックスやオーラルセックスが主な感染経路です。ヘルペスウイルスは一度感染すると、体内の神経節に潜伏するため、再発を繰り返すことがあります。
尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6、11型の感染で起こる感染症で性器や肛門の周りにイボができる疾患です。男女どちらも発症し、男性の場合、陰茎、尿道、陰嚢、女性の場合、膣、膣前庭、大小陰唇、会陰部、子宮口、また男女ともに肛門や口腔にイボができます。
通常は、性的接触で感染しますが、時に高齢者や小児などにも見られることがあり、感染経路がはっきりわからないケースにも遭遇します(トイレのウォシュレット、お風呂のイスやタオルなど)。
尖圭コンジローマはイボができること以外に自覚症状がほとんどありませんが、性器や肛門周りにイボできた場合は、放置せずにご相談ください。
治療は液体窒素による冷凍凝固法といって、液体窒素を浸した綿棒を患部に押し当てて数秒凍結させ、それを数回繰り返します。これを1週間に1度ほどのペースで継続します。他には外科的切除や、塗布剤(イミキモド)を使用することもあります。これらの治療を行なっても再発することもありますので経過観察が必要になります。
トリコモナス腟炎とは、トリコモナス原虫の寄生によって起こる感染症です。感染後1週間~2週間で発症します。性行為による感染以外にも、濡れたタオルや浴槽、便器などからも感染します。症状としてはおりものの増加や悪臭のするにおい、かゆみ、排尿の時の痛み、性交痛がでますが、感染者の20~50%は無症状です。治療は抗菌・抗原虫薬の内服または膣錠を使用します。
淋菌感染症は淋菌の感染による感染症で、クラミジアとともに比較的頻度の高い性感染症です。感染してから症状がでるまで2~7日程度です。男性の場合は排尿時の激しい痛み、尿道のかゆみ、頻尿、不快感が起こります。血尿や膿が出ることもあります。
女性の場合は黄緑色っぽいおりものが出たり、おりものが増えたり、臭いがする、排尿時の痛み、頻尿、残尿感、おりものの量が増える、不正出血、下腹部の痛み、性交時の痛みなどが挙げられますが、女性の感染者の多くは症状が出ないと言われており、感染したまま放っておくと卵管炎や骨盤腹膜炎をおこし、子宮外妊娠や不妊症の原因にもなります。
治療はマクロライド系、セフェム系の抗生物質を使用します。
梅毒トレポネーマによる感染で起こる感染症です。
性行為によって感染することが多く、感染した後の期間や経過によってさまざまな症状が出ます。
放っておくと脳の神経まで影響を与え死に至ることもあります。
また、妊婦さんが感染すると胎児にも感染し、先天梅毒を発症したり、死産、早産につながることがあります。抗生物質がなかった時代には不治の病と言われており、3ヶ月~3年にわたり再発を繰り返しておりましたが、今はペニシリン系抗菌薬による治療を受ければ完治可能です。
おりものは、膣や子宮の出口で作られる分泌物が混ざったもので、膣内に潤いを保つとともに、雑菌の進入や増殖を防ぐ働きをもっています。おりものの量や色が普段と違う時やできものがあるなどの症状がある場合は病気の可能性があります。気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。